バルトロメ・エステバン・ムリーリョ

 

17世紀中期~後期にかけて活躍したセビーリャ派の巨匠。19世紀末期にベラスケスが再評価されるまで国内外でスペイン最大の画家として名を馳せていた。 テネブリズム(カラヴァッジョに代表される明暗対比による劇的な表現手法)の強い影響を感じさせるセビーリャ派特有の実直な明暗対比の大きい作風に柔らかく繊細で輝きを放つ表現を用いることで、故郷セビーリャを中心に圧倒的な人気を得て、当時セビーリャ派の大家として既に名声を博していたスルバランの地位をも脅かした。 その功績はイタリア芸術に押されていたスペインの美術の地位を再度諸外国に知らしめることとなった。また作品の多くは宗教画だが風俗画や肖像画も描き、ムリーリョ帰属だと確認されている作品の総数は約300点。